災害で心配なのは断水です。
とくに大きな地震が起こると、
・水道管が破裂・断裂
・停電による送水設備の停止
になりがち。
そのときに心配になるのは「水不足」。
命を保つ飲料水はもちろん、調理や食器洗い、洗濯、トイレ、風呂など「水がない」状態で困ることが続出します。
私も阪神淡路大震災のときに家が全壊し、避難先の知人宅や地下駐車場でトイレを使わせてもらったときは「水が出ない」状態でした。ペットボトルの水を飲んだり、トイレは貯めていた雨水で流したり、大きい方は新聞紙やビニールに包んでゴミ捨て場に捨てていたりしていました(風呂は入らなかったので)
29年前の阪神淡路大震災で体験したこと、必要だと感じたこと
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災害後は水の備蓄はもちろん、水を使わなくても使える歯磨きや体拭きタオル、携帯用トイレなどを買いそろえていざというときに備えています。
そして!
「雨水」を効果的に集めることができれば、断水後の生活は随分と助かるはずですね。
今回はそうした「雨水を集水するツールや情報」を紹介していきたいと思いますよ!
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災害時に便利!雨水を集めるツール&情報
雨水タンク
床に設置して排水管から雨水を集めるタンクです。
庭園作りが盛んなイギリスの製品があったので写真をピックアップしてみました。
日本で販売されている雨水タンクもほぼ同じ作りです。
戸建てや集合マンションの排水管(屋根でたまった水を排水するためのパイプ)に取り付けて雨水を集める形式になっています。
既製品で使う人もいますが、自作で設置する人も多く、雨水集めはDIYの定番の一つになっているようですね。
作り方の大まかな方法としては、
①排水管の近くに雨水タンクを置く
②排水管の真ん中を切り取って集水コネクターを取り付ける
③コネクタに付属のホースを取りつける
④雨水タンクに取り付ける
④完成
という感じです。
注意する点としては「排水しても可能な場所(床や地面)を選ぶ」「タンクが転倒しないように台座を強化する」「水が漏れないようにテープで補強する」などがあります。
あと戸建ての一軒家なら全く問題ないですが、賃貸マンションだと勝手に排水管を加工するのは禁じられている可能性が高いです。
分譲マンションでも規約等で制限がかけられている場合があるので、どちらも事前に管理会社に問い合わせてみるのが無難です。
それらがクリアできるのであれば、雨水タンクはかなり有効な防災装置だと思うので、ぜひ設置を検討されると良いと思います。
集水ネットを使って雨水を集める方法
諸々の理由で雨水タンクを設置できない場合(排水管の加工が無理・設置する場所がない)、ネットを張るだけで雨水を集める方法もあります。
雨葉ネットというサイトで詳しい情報や動画が掲載されていて、なるほどこれは便利だなと感心しました。
日よけネットを使って雨水を集めて、ネットの端の部分や紐から垂れる雨水をポリタンクで受ける仕組みになっています。
農作業用の雨水集めという雰囲気が強いですが、戸建ての家やマンションのベランダにも設置できるので便利です。
ただ非常時の避難経路になっているマンションの共用ベランダの場合は、ネットやタンクが避難の際の邪魔にならないように設置する必要はあります。
詳しい設置情報はこちらの個人ブログの方の記事で書かれています(⇒雨水タンクを設置する)
集水のポイントは
・少し斜めにネット張って傾斜をつける
・落ちてきた雨水を「ネットの端」「結合部分の穴」「紐」から滴る雨水を下に置いたポリタンクに落ちるように工夫する
ところです。
最初は「紐から落ちる雨水」というのが想像できなくて、ネットに専用の集水ホースがついているのかと思いました。
でもあくまで普通の日よけネットなので、そういう特別な装置がある風でもないということ。
結局は上記の3つの経路を通じて「雨水が少しずつ滴り落ちること」で、水滴をポリタンクに貯めることができるようです。
日よけネットやポリタンクはホームセンターやECサイトでも普通に買えるので、これは自作できそうですね。
断水する理由とケース
最後に災害で断水してしまう理由について簡単に説明します。
一つ目が「水道管が破裂する」ということ。
耐震性のある水道管であれば大丈夫ですが、年数が経過して劣化した水道管だと、地震の衝撃で破裂・断裂してしまう危険があります。
そうなると断水が発生し、各家庭に水が行き届かないことになってしまいます。
これは行政の管理になるので、個人ではどうしようもない部分かと。
どうしても気になる場合は、自治体に問い合わせてお住いの地域の水道管の状況を確認してみると良いと思います。
次が「停電による給水設備の停止」。
水道を供給は3種類あって「直結直圧方式」「受水槽式」「直結増圧方式」の3つに分けられています。
直結直圧方式:水圧をそのまま利用して家庭内に水を引き込む形式。電力は使わないため、停電による断水の心配はない。
受水槽式:一度水をためた受水槽からポンプを使って各部屋へ汲み上げる。受水槽を最上階に置いて各部屋に水を供給する
直結増圧方式:配水管からの水圧を増すことで上層階にも水が届くようにする形式
この中で「戸建て」の多くは「直結直圧方式」を取っており、停電による断水の心配はありません。
一方で「受水槽式」「直結増圧方式」の多くは、マンションなどの集合住宅で使われているので、ポンプや加圧の動力源である電気が止まると働かなくなり、断水してしまいます。
緊急用の予備電源を設置してある建物もあるので(停電の影響を受けません)、マンション住まいの方は一度管理会社に確認してみると良いと思いますね。
ちなみに私はマンション住まいなので、停電による断水のリスク大です。
一応予備の非常用電源はあるようですが、地下に設置されているので、浸水した場合は使えなくなるんじゃないかという心配はあります。
要確認ですね。
台風・津波・浸水に強いマンションについて【実体験ベース】
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まとめ
水は命の源です。
飲料水はもちろん、生活用水としての水の価値は計り知れません。
普段は気にしないのですが、いざ使えなくなるとその大切さをものすごく思い知ることになるというのを、かつての震災体験で骨身に染みて感じています。
なので普段から「水の確保」についての対策を取っていることが大切です。
日本はこれから大きな災害が見舞う可能性が高いと言われています。
首都直下型地震、南海トラフ大地震、富士山噴火、超大型台風の接近などなど・・
どれもまともに直撃したら確実に生活インフラは破壊されます。
何もない今のうちに準備をしておくことをお勧めしたいですね。
今回取り上げさせてもらった情報を、ぜひとも参考にしてもらえたらと思います。
震災で痛感した水とトイレの大切さと困ったことの体験談
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