ニュース記事で紹介されていた「ランドセルを使った地震のときの避難法」を拝見し、「これは使える!」とすごく納得したレビューになります。
河北新報さんの記事ですが、子供が学校や登下校で地震にあった時、防災頭巾やヘルメットではなく、背負っているランドセルを上手く使って頭や背中を守る方法だということ。
記事内容とそこで示されている実際の写真を見て「これって子供だけでなく、大人も使えるのでは?」と感じました。
ということで、それに関する詳細や所感をこれから述べていきたいと思います。
ランドセルは防災グッズとしてすごく有効だった!
まずはこの記事に関する私のツイッターから。
記事を読んだ瞬間に「これだ!」と速攻でツイートした内容です。
この記事は超絶に有益ですね!地震の避難の際にランドセルがすごく役に立つということ!https://t.co/Oh25RjOQNm#防災 #避難 #地震 #ランドセル
— 街の防災研究家 (@bousaitarou) January 14, 2022
これに続くツイートでも、
記事内の写真で見れば、一目りょう然ですが、子供が学校や通学途中で地震にあって避難する際に、背負っているランドセルの蓋をそのまま前に垂らして頭や背中全体を守るというものです。しゃがみこんでの姿勢になりますが、確かにこれは下手な防災頭巾よりも身を守ってくれそうですね
と書いており、もうこのままの感想で一人興奮していました。
確かに背中と頭が完全に守られていますよね?
これはかなり画期的なアイデアだと思いますし、少なくとも私が今まで考えたこともなかった方法になっています。
私も子供時代に使っていたことがあるので分かりますが、ランドセルの生地はかなりしっかりしていて、多少乱暴に使ってもびくともしないレベルになっています。
これだとわざわざヘルメットや頭巾を用意して被る必要もないですし、そのまま蓋を前に垂らすだけでよいので、時間のロスを防げて全てにおいて完璧だと思いますよ。
震災時の避難対応は一刻も争うことが多いので、身に着けているもので瞬時に避難行動をとれるこのアイデアには本当に感服ですよね!
ランドセル防御の最大の長所は頸椎の保護にあり!
ランドセルの蓋を前に足らずことで守れるのは頭部と背中になりますが、それ以上に注目したのは「頸椎」を守ることができる、というところです。
頸椎というのは首の後ろの部分で、ここには体の運動を司る重要な神経の多くが背骨に沿って通っています。
この部分の神経が傷ついたり、寸断されたりすると、最悪の場合は「全身麻痺」「半身不随」の状態に陥ってしまいます。
なので地震で揺れを感じた時は、頭だけを守るのではなくて「両手をクロスさせて首の後ろに回し、体をダンゴムシのように丸めてしゃがむ」姿勢を取ることを、国際レスキューチームの一員だった看護師さんが提唱されています(以下がその方の著書とダンゴムシ防御の詳細レビュー記事です)
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コロナ防災マニュアルの感想と要約まとめ
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こうすることで頭部と大切な頸椎を守ることができるのですが、これと同じ効果をランドセル防御ははたしていると私は感じたわけです。
もちろんランドセルの生地が完璧な強度を誇っているわけではないので、同時に両手で首の後ろを守る必要がありますが、何もしないよりはランドセルできちんと守られているという状態は心強いですし、多少の衝撃なら保護してくれるとは思います。
そういう点で実に素晴らしい防御法だなあと感心したわけですね。
大人でも防災にランドセルは使えるの?
そんな個人的には非常に感心し納得しているランドセル防御ですが、これは大人でも使えないのかな?という疑問も同時に生まれてきました。
子供さんがランドセルを使うのは通学用なのでまったく問題はないのですが、小学生以上の学生さんや大人だとなかなか難しいのではないかなあと。
だってランドセルって、普通は小学校を卒業すると使いませんからね?
そう思って「大人 ランドセル」で検索をかけてみると、ぴったりな記事が見つかりました。
記事ではライターの方が実際にランドセルを注文して、それを1週間使用したレビューを書かれています。
この方は身長が180センチあるのですが、届いたランドセル(おそらく子供用)を普通に背負うことができ、しかも装着してもほとんど違和感がないというレビューを証拠写真と共に挙げられています。
そこで書かれていた感想を要約すると、
・真正面や真後ろから見ると、意外にランドセルだと気づかれない
・荷物が取り出しやすい
が良い点で、
・やはり人目がかなり気になる(ジロジロ見られる、質問される)
が悪い点として挙げられていました。
こうやって見ると、やっぱり大人がランドセルを背負うのは無理があるのかもしれませんね(笑)
とはいえ、どうしても諦めきれない私はさらにチャレンジし、大人でも身に着けられるランドセルをサーチしました。
その結果、それらしい商品を扱っているメーカーを絞り込むことができました。
鞄のプロが制作したもので、本式のランドセルよりはスマートでスタイリッシュになっています。
なので普通に身に着ければ格好いいのですが、防災用ととして子供のランドセルと同様の強度を期待できるかというと、前の蓋の薄さから考えると、ちょっと難しいのではと思いますね。
ハンドメイド・手作り・クラフト作品の通販・販売サイト「Creema」
こちらは一見して「ランドセル」を再現した商品になっています。
これだときちんと頭部と頸椎を守ってくれそうですね。
生地の強度を測ることはできないので、あくまで見た目での判断ですが、先ほどの大人ランドセルよりは期待できるかな?と。
ただしこちらのサイトは、ハンドメイド作家の方がオリジナルで製作しているものになるので、リンク先のものがいつまでも販売しているとは限りません。
なので興味がある方は上記のリンク記事から連絡を取って見ることをお勧めしますよ。
結論:ランドセル防災は子供に任せましょう
ということで、結論としては「ランドセルはやっぱり子供が使うのが無難」という当たり前の答えに行きつきました。
もともとヨーロッパの軍隊で使われていた背嚢をモデルにして作られたものなので、現代でも大人用のものが作られてもおかしくないと思うんですけどね。
でも日本ではランドセルは「子供が使う物」という固定概念があるので、無理して身に着けて生活すると、先ほど紹介したライターさんのように色々と気を遣いながらになる可能性が高いですね。
なので、今回のランドセル防御はお子さん向けということで。
ぜひ子供さんがおられるご家庭では冒頭で紹介した防御法を教えてあげてください。
もちろん大人が普段使いではなく、防災用のバッグとして臨時に使うのは普通にありだと思うので、興味がある方はランドセルのチェックをしてもらえればと思いますよ^^(先ほどの大人用のものも合わせて)