度重なる豪雨や台風による堤防の決壊や河川の氾濫がここ数年、断続的に続いてます。
巨大地震による津波の脅威も確実に存在します。
そんなときに自分や家族の命を守るためにどうすれば良いのか?
今回は万が一の津波や洪水、氾濫による浸水の際に役立つだろう、防災グッズ「ライフジャケット」を紹介していきます。
目次
避難が間に合わなくなったときのために
津波や洪水、河川の氾濫による浸水の際は、まず第一に「逃げる」ことが絶対条件です。
自宅や職場が高層ビルなどであれば、高いフロアに逃げること、戸建てであれば2階以上に逃げること、迫って来る水の高さが建物を超えるようであれば、迷うことなく「高台に逃げること」が最優先です。
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それでも、どうしても逃げ遅れてしまった場合はどうすれば良いのか?
まずは溺れないようにすることが大事だと思います。
水中に沈んでしまえば、助かる確率はかなりのレベルで減少します。
汚水を大量に飲み込むことになるので、助かっても肺炎を発症する危険も考えられます。
であれば最低限、呼吸ができる方法を確保すること。
建造物に捕まったり、流れてくる浮遊物に捕まって顔を浮かすことなどが考えられます。
先日の九州豪雨では、逃げ遅れてしまった女性が建物の支柱に捕まって数時間耐えて助かった例もあり、人間のいざというときの逞しさを感じました。
首の高さまで水が迫ってきていたので、まさに間一髪というところです。
ただこれらはあくまで応急の対処法で、助かる確率は水の状況や本人の体力に関わってきます。
もし濁流であれば、強い水流によって流されてしまいますし、途中で障害物や浮遊物にぶつかってしまうと、それが原因で命を落としてしまう可能性も高いです。
仮に強い水流に耐えて捕まることができたとしても、水位が自分の頭を越えてしまえば、溺れてしまいます。
もしこのときにライフジャケット(救命胴衣)を身に着けていれば、助かる確率はもう少し上がるのではないかと思います。
その前提(ライフジャケットを身に着ける)で考えれば、以下の3パターンが想定できるのではないでしょうか。
①津波や洪水が迫ってきたら、その時点で身に着けて高台に脱出する方法
②逃げ遅れたときに身に着けて救助を待つ方法
③水に浸かったり流された状態で、最低限の呼吸を確保しながら、脱出や生還の機会を伺う方法
一番良いのは①で、身に着けたライフジャケットが役に立たないことがベストになります。
②は家の2階や屋根、高層ビルなどで万が一に備えて着用するパターンで、水に浸かる心配が少ない中でも最低限のリスク回避に備えることになります。
③は最も厳しいシチュエーションで、水の高さや流れ、本人の体力などによって状況が変わってきます。
濁流のような流れに巻き込まれてしまった場合は、たとえライフジャケットを着用していても助かる見込みは少なくなりますし、ゆるやかに増してくるに水の上に浮いた状態であれば、水の引き次第で助かる可能性は大きくなります。
どちらにしてもハイレベルなサバイバルであることは間違いありませんが、何も身に着けていないよりは助かる可能性は高いとは考えます。
その意味で「ライフジャケット」は、命をつなぐ防災グッズであることは間違いないと思います。
おすすめのライフジャケットとは?
主に海上で仕事をする人(海上保安庁や漁師)向けに作られたものですが、カヌーや釣り、マリンスポーツを楽しむ人向けのタイプも多く販売されています。
防災用としては、できれば適合基準に則ったタイプがおすすめになります。
適合基準というのは「国土交通省が認定した承認基準適合品」ということ。
実は救命胴衣は乗船する船舶によって「適合したタイプ」を着用することが義務付けられています。
違反すると違反点数がつけられてしまうので、重なると免許停止などの処置がとられるのではないでしょうか。
釣り船などもこれにあたるのでしょうね。
ただこれはあくまで小型船舶に乗船した場合の規準になるので、それ以外のマリンスポーツなどの場合は適合品でなくても大丈夫のようです。
ただ命を預けるアイテムなので、できる限り安全基準が満たされたタイプを身に着けるのが、防災的にも重要かと思います。
もし途中で生地が破れでもして「浮き」の意味がなくなったら、そこで万事休すですから・・・
なので私は国土交通省基準のものをおすすめしますね。
それ以外でも、自分で見て安心できるもの、実際に使ってみて「安全だ」と感じれるものを持つと良いのではないかと思います。
以下にそうしたライフジャケットを5種類まとめてみましたので、よければ参考にしてください。
通常タイプ
最もシンプルなタイプです。
オレンジ色なので目立ちやすく、救助されやすくなります。
かさばることと、夏場は暑さがあることが少し難点。
価格帯は3,000円前後からあり、最もリーズナブルです。
肩掛けタイプ
膨脹する気密性の袋をマフラーのように首と肩にかけて、腹部のベルトで身体に固定して使用するタイプです。
ふだんは折りたたまれた状態になっているため、通常タイプのジャケットよりはかさばりません。
手でヒモを引いて膨らむ「手動膨張式」と、ガス充気装置に水が入ることで(水を感知)自動的に膨らむ「自動膨張式」の2種類があります。
ベルトタイプ
ベルトのように腰に巻きつけて装着するタイプです。
普段は空気が入っていない状態でフラットになっているので、収納も便利ですし、ウェストポーチ風に腰に巻いていても気になりません。
3種類中、最も手軽でコンパクトでかさばらないところが良いですね。
ショルダータイプと同様に「手動膨張式」と「自動膨張式」の2種類があります。
落水した場合は、ベルトが浮輪のような役目をはたします。
以上がおすすめするライフジャケットです。
災害用としてはベルトタイプが個人的には一番おすすめでしょうか。
サイズ的に最も小さいので持ち運びに便利ですし、いざという時にサッと着用できる手軽さも魅力です。
お子さん用に購入する場合も、体が伸び盛り時期ということで、通常タイプやショルダー型はよりは、体のサイズに関係なく着用できるベルトタイプのほうがおすすめです。
リュックタイプ
水中でも浮くことができる「浮力抜群」な防災リュックです。
リュック内に浮力のある素材を内包しておるので、他のライフジャケットやベルトのような装着準備の必要がありません。
4方向からのベルトで固定しているので、水中でも外れないのが魅力。
バッグ内部の荷物が濡れないようにジッパー式のポリ袋を収納しています。
80キロの人が5キロの荷物をリュックに入れて背負っていても、十分に浮くことができます。
価格は1万5千円少々とかかりますが、荷物の収納とライフジャケットを兼用している点を考えれば、コスパは非常に高いと思いますよ。
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ボートで避難するときにも必須
ライフジャケットは単独で使う方法でも役立ちますが、冠水などで街が水没したときにボートを使って避難する時にも必須です。
漂流物がぶつかってきたり、水の流れが突然変わって転覆することもあり得ますので、その際にライフジャケットを身につけていると溺れるリスクを大幅に減らすことができます。
ボートと同じ場所に置くなど、水害時の緊急用ツールのコンビとして保管しておくことをおすすめします。
以下に避難用ボートを3つ紹介していますので参考にしてくださいね。
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