いざという時の非常食として役立つ「干飯」や「干し肉」「干し魚」。
なぜ役立つのかということを、先日のツイートで挙げました。
なので、シリアルとか干飯とかを普段からストックしたり、作っておいたほうが実際には役に立つと思いますね。そのままでも食べられるし、お湯があればおかゆにもできるから便利。#非常食 #防災
— 街の防災研究家 (@bousaitarou) September 26, 2020
こういう調理ものは確かに美味しいし、栄養もありますが、実際に被災した時は電気もガスも通っておらず、調理器具も部屋の混乱で使えないこともままあります。なので一番役に立つのは「火や道具を使わずにそのまま食べられるもの」。
なので、シリアルとか干飯とかを普段からストックしたり、作っておいたほうが実際には役に立つと思いますね。そのままでも食べられるし、お湯があればおかゆにもできるから便利。
そのまま食べられるもののほうが、調理を加える食べものよりも「非常時向き」だという意味でツイートしました。
干物の食品は古くから日本でも携行食として利用されてきています。
農作業の弁当や猟師のご飯、武士の戦場飯など、屋外の活動の食事として保存の効く「干飯や干物(ドライフード)」は便利。
これをそのまま災害食として利用するもありだなと思っています。
今回はそんな干飯や干し肉、干し魚の作り方をまとめてみたいと思います。
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干飯の作り方
お米を乾燥させる非常食です。
市販のアウトドア食や災害食では「アルファ米」が有名ですね。
これを自作する場合の材料と作り方になります。
まずは材料を。
【材料】
・残り物のご飯など
・ザル
・電子レンジ
ご飯は新しく作っても良いですが、もったいないので、食べ残しのものを使うと良いと思います。
作り方はすごく簡単で、水分を取って乾かすだけ。
天日干しの伝統的な方法と、レンジを使った現代風の方法があります。
ではそれぞれを紹介していきましょう。
【干飯の作り方:天日干しバージョン】
①残り飯を水洗いする
②ザルや新聞紙の上に薄く広げる(厚くすると乾かない)
③風通しのよい場所で天日干しする
④7日ほどで乾くので、乾いたら手でもみほぐす
⑤ビンなどの容器に保存する
これで完成です。
ただ天日干しは乾かす場所と時間がかかるので、レンジを使って時短で作る方法がおすすめです。
【干飯の作り方:電子レンジバージョン】
①残り飯を水洗いする
②30分ほど水に浸す
③水を切ったご飯を耐熱タイプの皿などに薄く広げる
④レンジで5分加熱した後、扉を開けて水蒸気を逃す
⑤レンジで5分加熱した後、皿を取り出して米をほぐす
⑥レンジで2分加熱した後、乾いていたら米をほぐす
⑦ビンなどの容器に入れて保存する。
レンジで加熱する時間が細切れなので面倒に見えますが、短時間なので意外にササっとできます。
できあがった干飯はそのままでも食べられますが、お湯をかけてふたをして2~3分ほど待てば、おかゆになって美味しく食べられますよ。
保存が効く梅干しがあれば、塩分も取れて最高ですね。
ほかにも缶詰の魚や肉など保存食との相性も良いので、主食の非常食としてぜひ試してみたいところです。
干し肉・干し魚の作り方
干し肉・干し魚は干飯とならんで伝統的な非常食の王様です。
タンパク質やビタミンが豊富なので、エネルギーが必要な非常時の大きな力になってくれます。
そんな干し肉・干し魚を作るときは、干飯以上に「水分を抜く」作業を徹底する必要があり。
余計な水分が残ることで腐敗を早めるからです。
食品類は、水分が40%以下になると微生物の繁殖や酵素の働きが鈍くなり、10%以下になるとほとんど停止します。
なので「乾燥する」作業が最も大事な工程になるのです。
干し肉
まずは材料です。
【材料】
肉(脂身が少ないもの)
しょうゆ
塩
ザル
キッチンペーパー
蒸し器
次に干飯と同様に「天日干し」と「レンジ」を使った作り方を紹介していきます
【肉の干物の作り方:天日干し】
①余分な脂肪を取り、適当な大きさに切って蒸す
②薄めの塩水に一晩ほど冷蔵庫に入れて漬ける(保存性を高めるため)
③キッチンペーパーで水気を切り、しょうゆで味付けをする
④ザルに乗せて風通しの良い場所で乾燥させる
⑤一日に2回~3回ひっくり返す
⑥3日ほどでカチカチになったら完成
伝統的な作り方です。
気候が良ければ熟成が効いた美味しい干し肉ができあがります。
逆にじめじめした季節には向いていないので、秋や冬など、乾燥している時期を選んで作るのがベスト。
では次に電子レンジを使った作り方です。
【肉の干物の作り方:電子レンジ】
①~③は上の作り方と同じ
④電子レンジでオーブンモードにし、100度で予熱する。
⑤耐熱容器に肉を載せて並べる
⑥20分おきにキッチンペーパーで水気を切り、ひっくり返す
⑦約2時間繰り返し(6回ほど)、取り出して冷まし、完成
このままでも食べられますが、焼くと柔らかくなるので美味しさも戻ってきます。
干飯と一緒に食べると最高ですね。
干し魚
では次に「魚の干物」の作り方です。
【材料】
魚
塩
しょうが
ザル
乾燥ネット
キッチンペーパー
作り方をみていきましょう。
まずは天日干しです。
【魚の干物の作り方:天日干し】
①新鮮な魚の内臓とエラをとる
②骨に沿って包丁を入れ、開きにする
③塩水で洗い、しょうがのしぼり汁と塩を加えた水の中に15分ほど漬ける
④ザルにあげて水気を切り(キッチンペーパーなどで)、乾燥ネットで吊るして3~4時間乾燥させれば完成
*保存期間を長くする時は、乾燥する時間を延ばす
開いて乾燥させるので、肉よりはできあがりが早そうですね。
次は冷蔵庫を使って作る方法です。
【魚の干物の作り方:冷蔵庫干し】
①上の工程を①~④まで行う
②皿に乗せて冷蔵庫に入れる
③指で押したり裏返して様子を見ながら、乾くのを待って完成
*5~6時間で乾燥すると思います。
魚も肉と同様に、いかに「水気」を抜くかがポイントになります。
天日干しの場合は、乾燥させる季節や気候も大事。
春~夏にかけての湿気が多い季節は、腐敗する危険があるので避けたほうが良いです。
まとめ
非常食の自作方法を紹介してみました。
市販のものは多くありますが、それに加えてこういった自作できるものを普段から作って備蓄しておくと、いざという時に役立ちます。
残り物の食材を使うと「フードロス」の防止にもつながるので環境にも優しいです。
大事なのは「初めて作るときは失敗する」ことも想定すること。
水分が抜け切れていなかったり、乾燥が中途半端だったりすると、それを食べて体調を崩してしまうこともあるので、何度か作ってみて完成度を高めるようにしましょう。
肉や魚を天日干しする際は匂いにも注意です。
近隣に匂いが伝わってしまうので、それが難しい環境であればレンジや冷蔵庫で乾かすことをおすすめします(燻製機もあり)
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