アメリカのロボットメーカーの紹介です。
世界的には日本の産業用ロボットメーカーが大きなシェアを占めていますが、これまでにないアイデアを生み出したり、新しい技術を駆使してより先進な製品を開発するという意味では、米国は他国に追随を許さない利点をもっています。
いわばイノベーションの本場ですね。
世界から人材が集まる米国ならではの大学や研究所と企業との連携も見逃せません。
産業現場だけでなく、医療や災害現場でもロボットの力は大きくなっています。
今回はそんな世界の最先端を走る米国のロボット企業を6社取り上げていきます。
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米国のロボットメーカーまとめ
アイ・ロボット
アメリカ合衆国に本拠を置くロボットテクノロジー企業です。
国防総省のために開発された掃除ロボットである"Roomba"を製品化したことで有名です。
主要ラインナップには、ルンバ(家庭用掃除ロボット)、ブラバ(モップロボット)、ミラ(プールクリーニングロボット)など。家庭や商業施設での掃除や清掃作業を自動化するために設計されています。
同社のもつロボット技術は、自律走行技術、センサー技術、マッピング技術、人工知能(AI)などがあり、主要製品の家庭用ロボット以外の一部の製品は、軍事用や公共セキュリティなどの専門分野にも応用されています。
災害救助や環境保護などの分野でも活動しており、災害現場での探査・救助を支援するためのロボット技術の開発や、海洋の清掃を目的としたロボットの開発などが行われています。
同社は革新的なロボット技術を活用して、家庭やビジネス環境での生活の質を向上させることに貢献しています。
また掃除や清掃などの日常的な作業を効率化し、人々の生活をより快適にするためのソリューションを提供しています。
ボストン・ダイナミクス
アメリカ合衆国のマサチューセッツ州ウォルサムに本拠地を置く、高度な動力学的制御を持つロボットを開発する企業です。
2003年にマーク・ライバートによって設立されました(2021年に現代自動車に買収)
同社の目標は、人間や動物の動きを模倣し、不安定な環境での移動や物体の操作が可能なロボットを開発することにあります。
四足歩行ロボットの「スポット」や人型ロボットの「アトラス」などがあり、驚異的な動作能力を示します。
これらのロボットは、不安定な地形や障害物のある環境での移動や作業が可能であり、スポットは建設現場での監視や調査、アトラスは災害現場での救助作業などに使用されています。
同社のロボットは、主に産業用途に焦点を当てており、建設、製造、物流、公共安全などの分野で利用されています。
これらのロボットは、労働力不足や危険な環境での作業を効率的に行うためのツールとして注目されています。
イントゥイティブ・サージカル
アメリカ合衆国に本社を置く医療ロボット企業です。
1995年に設立され、ダ・ヴィンチ・サージカル・システムとして知られる、外科手術用ロボットシステムの開発・販売を開始しました。外科医による手術を補助し、精密性や操作性を向上させるための革新的な技術になります。
主力製品であるダ・ヴィンチ・サージカル・システムは、手術用のロボットアシスタントです。
外科医がコンソールから操作し、手術用の器具を精密に制御できます。このシステムは、腹腔鏡手術やその他の手術に使用され、手術の精度や安全性を向上させることができます。
同社は医療ロボット技術の先駆者として知られており、常に技術革新に取り組んでいます。
ダ・ヴィンチ・サージカル・システムは、高度な映像処理、3Dビジュアライゼーション、手術用の器具の自由度など、革新的な機能を備えています。
同社の技術は、患者の手術結果の改善や回復時間の短縮など、医療の進歩に貢献しています。また、ロボットによる手術の普及により、外科医の負担を軽減し、手術の効率性を高めることが期待されています。
エヌビディア
アメリカ合衆国のカリフォルニア州に本社を置く、グラフィックス処理技術や人工知能(AI)関連技術を中心に活動する企業です。
半導体関連企業としても有名です。
当初はグラフィックスチップの開発・販売を主要な事業としていましたが、その後、GPUを活用した高性能コンピューティングやディープラーニングなどの分野に進出しました。
主要製品には、GPUやシステムオンチップ(SoC)などのグラフィックス関連製品が含まれます。
これらの製品は、ゲーミング、ビジュアルコンピューティング、高性能コンピューティング、ディープラーニングなどの分野で広く使用されています。
また、NVIDIAは人工知能(AI)関連技術のリーダーでもあり、GPUを活用したディープラーニングや機械学習のプラットフォームである「NVIDIA CUDA」や「NVIDIA TensorRT」などを提供しています。
ロボット本体を製造する企業ではありませんが、AIやGPU、ROSなどの分野で、ロボットの認識、自律動作、意思決定などの重要な機能の実現に不可欠な存在になっています。
エクソバイオニクス
アメリカ合衆国のカリフォルニア州に本社を置く、人間補助用ロボット技術を開発・製造する企業です。
2005年に設立され、人間の運動能力を補助するための革新的なロボット技術を開発しました。
当初は軍事や医療分野での利用を目指していましたが、その後、様々な産業や用途に展開しています。
主力製品には、外骨格(exoskeleton)と呼ばれる人間補助用ロボットが含まれます。
これらの外骨格は、下肢や上肢を補助し、移動や作業をサポートするために設計されています。
特に、医療分野ではリハビリテーションや身体障害者の支援に使用されています。
同社の製品は、身体的な障害を持つ人々の生活の質を向上させることに貢献しています。
外骨格技術は、リハビリテーションや日常生活での活動の再獲得に役立ち、患者や利用者の自立性や自己肯定感を向上させることが期待されています。
エスコバイオニクス.は、革新的な外骨格技術を通じて、人間の運動能力を補助し、身体的な障害を持つ人々の生活を改善することに貢献しています。
その製品は医療分野だけでなく、産業や軍事などの分野でも広く活用されています。
まとめ
ロボットは人口減が将来的に見込まれる中、労働力不足と企業のコストカットを実現する有力なツールです。
産業用ロボット以外でも、医療・レスキュー・宇宙開発など、社会的に有意義なものが続々と開発されています。
とくにアメリカはイノベーションの本場なので、新規のアイデアや自由な発想から生まれやすい土壌があるの大きいですね。
防災や環境技術の向上に役立つロボット技術の発展に期待していきましょう。