予測される巨大地震や度重なる台風の被害の影響か、最近は書店やAmazon・楽天などのネット通販でも「防災対策本」が多く取り扱われるようになっています。
今回は自分が持っているものや、これは買おうかなと考えている防災本を紹介していきます。
お奨め防災本10選
1:プチプラ防災
国際災害レスキューナースによる書籍です。
阪神淡路大震災の実体験と看護師で得た知識を生かした「お役立ち感あり」な防災術が満載。
「防災のためのグッズを買うのではなく、普段生活の中で使っているものを利用する」が著者の防災術のベースになっていて、お金をかけずに実践的な知識が身につきます。
看護のプロならではの医学知識を生かした防災法も充実しており、他の防災本にはない合理的な手法で身を守る術を教えてくれています。
ペットや赤ちゃん、高齢者の避難法にもきちんと対応策を述べていて、災害弱者への目配りも忘れない看護師さんならではの冷静な意見は非常に参考になりました。
他にはない「実用感」が満載の良書だと思います。
2:自衛隊防災BOOK
サバイバルのプロである自衛隊監修の防災対策本です。
いざという時の人命救助や水・食料の確保などを写真付きで優しく解説してくれています。
内容も防災の知識がまったくない人にも分かりやすいように、写真付きで防災対策法が丁寧に書かれています。
続編も出版されており、初版に比べてより普段使いに向いた内容になっています(⇒自衛隊防災BOOK 2)
3:女性のための防災BOOK
女性目線で防災グッズの選定や防災法をまとめた本です。
書籍というよりも、雑誌の防災版という感じで、内容も写真やイラストを中心に分かりやすく優しいフォントを使って編まれているので非常に読みやすいです。
それでいて必要な内容がコンパクトに上手くまとめられていて、女性でなくても参考になる点が非常に多いです。
同じ女性目線タイプの防災雑誌では「クロワッサンの防災BOOK」が高齢者やペットのための防災術が含まれているので、こちらもおすすめです。
4:警視庁災害対策課ツイッター 防災ヒント110
ツイッター上でアップされた防災術を一冊の本にまとめた書籍です。
「警視庁警備部災害対策課」のアカウントは私もフォローしていて、定期的に上げられる防災情報は日々チェックしています。
「日常の防災術」を中心に情報がまとめられています。
思っていた以上に手軽に使える「かんたん防災」な内容が魅力。
普段使いの防災術としておすすめの書籍ですよ。
5:災害時の英語
日本に滞在する外国人をサポートするための防災英語本です。
災害が発生した時に、日本語が分からない外国人だと、被災の状況を掴めずに命の危険のリスクを高めてしまいます。
ほかにも避難や備蓄物資の受け取りなどに支障をきたすこともあり、周りの助けが必要。
そんなときにこの英語本があれば、最低限のコミュケーションが可能になります。
本は見開きで日本語と英語の両方を乗せているので、仮に書かれている英語が読めなくても、話したい内容の場所を指さすだけで意味が通じるのも便利です。
在日外国人が増える中、この本の内容はますます重要度を増していると感じます。
6:どんな災害でもお金とくらしを守る
ファイナンシャルプランナー、社会福祉士の著者による「災害後の生活再建」本です。
災害直後のお金のこと、火災/地震保険のこと、倒壊した家屋やその再建についての情報などが、程よいバランスでまとめられています。
外部の公的機関のサイト情報も載せているのも良心的ですね。
いざという時に向けて「お金の知識」をしっかりと身に付けましょう。
災害で家が倒壊してしまったら?住まいの再建と公的支援についてまとめ【体験談あり】
7:サバイバル・バイブル
元フランス外人部隊出身という、異色の経歴を持つ柘植氏の著書です。
作家になるのが夢だったという氏は、慶應義塾大学在学中に冒険を求めて外人部隊に入隊。
帰国後は商社のビジネスマンとして活動した後、ミリタリー関連の著作や冒険小説などを中心に作品を多く発表しています。
フィールドワークに重きを置く姿勢は防災本の実務的な内容にも表れており、私も被災した阪神淡路大震災当時は、神戸を取材中の氏と偶然に遭遇してお話をさせてもらったこともありました(⇒災害時に役立つパラシュートコードの紹介と柘植久慶氏との遭遇話)
約10年後に出版された改訂版の文庫本「21世紀サバイバル・バイブル」は内容に大幅な加筆とコンパクト化でさらに読みやすく、持ち運びしやすいサイズになっているのでおすすめです。
8:民間防衛~スイス政府編
スイス政府が刊行した家庭用防災ハンドブックの日本語版です。
20年ほど前に初めて日本で和訳本が紹介されて話題を呼んで以来、長く支持を受けている防災本の一つです。
スイスは平和なイメージがありますが、実は国民皆兵(徴兵制)の歴史が長く(800年代~)、今でも国民の義務として兵役を担うシステムが続いています。
非常時の組織づくり(避難所の管理や自警団への応用)や救護・消火活動など、一般的な防災対策法としても使える部分がかなりあり、防災の教養書としておすすめです。
9:天災から日本史を読みなおす
テレビでもお馴染みの歴史学者である磯田道史氏の文庫本です。
日本の歴史で起きた地震や津波などの災害を、当時の人がいかに生き延びたか、または犠牲者を出してしまったかを、歴史文献を読み解きながら分かりやすく書いています。
磯田氏ご本人も東日本大震災で自宅で揺れを経験したようで、そこから本格的に災害史をまとめようと精力的に活動されている様子。
過去から災害を学ぶのに役立つ、おすすめの一冊になっています。
10:オランダ商館長が見た江戸の災害
江戸期に貿易のために駐在したオランダ商館長の災害体験記です。
歴代の商館長がそれぞれに経験した地震や火事、噴火の克明な様子を、当時の日本人の防災模様や文化描写などを合わせて描かれています。
著者はベルギーの日本研究者で、磯田氏と同じ研究機関に努める同僚のよう。
そのよしみなのか、磯田氏が本の中で頻繁に挿入される解説部分を担当しています。
文字量がかなり多く読み応えがありますが、その中でも日本の民族的な特徴や気質を鋭く描写した箇所もあり、単なる災害体験記ではない文化比較論に近い内容になっています。
過去の災害で日本人がどう接していたのか、当時のオランダ人の目にはそれがどう映っていたのかを知るには、最適の本です。
まとめ
これまで買ってきたものと、欲しい防災本のリストを挙げてみました。
内容も自然災害への対処法から、外国人との非常時のコミュニケーション法など、けっこう幅の広い防災本の紹介になっていると思います。
今後もどんどん良い本があれば紹介していきますし、レビュー記事もその都度書いていくつもりです。
増えていけば、今回の記事に追加していきますので、またよければご覧ください。