人口減少の危機が続く中、人手不足を解消する有力な技術が「ロボティクス」です。
人の代わりに製造の工程や運搬を担ってくれるロボットは、今後も製造業を始めとした、あらゆる業種でその存在感を増していくものと予想されます。
技術革新が進むことで、安価で性能の高いロボットが市場に回ることになれば、初期投資の割高さも解消していくのではないかと思われます。
同時にロボット技術は災害にも役立つため、世界でも有数の災害大国である日本にとって、その技術の発展は欠かせません。
今回は災害大国であると同時に世界でも有数のロボット技術をもつ、日本のトップ企業を6つ紹介していきます。
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国内のロボット企業まとめ6選
ファナック
日本の大手ロボットメーカーおよび数値制御装置(CNC)メーカーです。
1956年に創業され、その後、数々の産業用ロボットや工作機械、CNCシステムを世界中に提供しています。
富士機械工業(現・富士フイルムホールディングス)の一部門として設立され、初期には数値制御装置(CNC)の開発に焦点を当て、その後、産業用ロボットの開発・製造にも進出。
産業用ロボット、CNCシステム、マシニングセンター、工作機械など、幅広い製品を提供しており、自動車産業や一般産業の組立、溶接、搬送などの用途に広く使用されています。
日本をはじめ、世界各国に拠点を持ち、グローバルに事業展開し、特に自動車産業や一般産業向けのロボットやCNCシステムは世界中で広く支持されています。
安川電機
モーター等の電化製品でトップレベルの電気機器メーカーです。
創業当初は変圧器の製造販売から始まりましたが、その後、モーターや制御装置の製造・販売にも事業を拡大しました。
産業用ロボットや電機制御装置、モーター、インバーターなどの製造・販売を行っています。
またロボットや制御装置などの分野で、先進的な技術を保有。
人工知能や機械学習を活用した自己学習ロボットや、IoTを活用した工場の自動化ソリューションなどが含まれます。
ロボットでの精密な動きが定評があり、累積台数も世界有数を誇ります。
川崎重工業
老舗の製造大手です。
航空機、鉄道車両、重機械、エネルギーなどの多岐にわたる事業を展開しています。
自動車産業や一般産業向けにさまざまなタイプの産業用ロボットを提供(組み立て用ロボット、溶接ロボット、搬送ロボット、ペイントロボットなど)し、自動化装置、制御ソフトウェア、ビジョンシステム、コンベアなどのシステム提供にも強みがあります。
重量部材を扱うロボット技術に長けており、そのため自動車産業や製鉄業での需要が多いです。
デンソーウェーブ
自動認識装置や産業用ロボット、プログラマブルコントローラ、IoT等の機器やシステムの開発・製造・販売を行う企業です。
自動車部品メーカーの大手「デンソー株式会社」(現:株式会社デンソー)の子会社になります。
主な製品としては、QRコードリーダーやバーコードリーダー、RFIDリーダー、自動認識システム、産業用ロボットなどがあります。
自動認識技術やロボット技術の分野で高い技術力を持っているだけでなく、QRコードの開発や普及においては世界的に有名。
QRコードの規格を策定し、その技術を活用した製品を提供している企業でもあります。
同社の強みである自動認識システムやロボット技術は、世界中の企業に需要があり、グローバル市場で競争力を維持しています。
セイコーエプソン
大手電子機器メーカーです。
日本の時計メーカーであるセイコー株式会社の一部門として設立し、その後プリンターやプロジェクターなどの事業に進出しています。
エプソンのロボット事業は、1983年に始まり、当初は精密な製品組み立て用のスカラロボットの製造・販売を行っていました。
その後はロボット技術の進化と市場需要の変化に応じて、さまざまなタイプのロボットを開発・提供しています。
製品ラインナップには、スカラロボット、6軸ロボット、パレット化ロボット、ビジョンガイド付きロボットなどが含まれています。
これらのロボットは、自動組み立て、ピッキング&プレース、検査、検品、梱包、物流などの産業用途に広く使用。
加えてビジョンシステムやセンサー技術の組み込み、人工知能(AI)や機械学習の活用などが取り入れられ、より柔軟で効率的な自動化ソリューションが提供されています。
エプソンのロボットは自動車産業、電子製品製造、医療機器製造、食品加工、機械加工、半導体製造など、さまざまな産業で活用されています。
パナソニック
家電製品や産業機器などの製造・販売を行う電機メーカーです。
ロボット事業は1991年に産業用ロボットの開発を始め、自動化・ロボット技術の分野での取り組みを拡大しています。
製品ラインナップには、産業用ロボットやサーボモーター、制御装置など。
産業用ロボットには、組立用ロボットや溶接用ロボット、搬送用ロボットが提供されており、柔軟性や省エネルギー性、安全性にも配慮されてるのが強み。
パナソニックのロボット事業は、高い技術力と豊富な製品ラインナップを持ち、世界中の企業に幅広く利用されています。今後も、ロボット技術の進化と産業ニーズに応じて、さらなる成長が期待されています。
まとめ
ロボット事業を扱う企業6社を取り上げてみました。
ロボティクスは製造現場を中心に大きな力を発揮しています。
精密な作業や重量物の運搬、安定した成果を出せるライン作業でのロボットの存在は不可欠です。
人口減による人手不足の影響もあり、今後も伸び続ける分野だと思われます。
産業分野でのロボット技術の蓄積は、災害対策や運搬用の車両技術にも活かされていきます。
農業や水産など、食料生産の現場でロボットの活躍する場面は増えています。
社会のあらゆる場面で必要不可欠となるロボット産業への注目は今後も続けていきたいと思います。