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防災と災害について考えるブログ

世界最大級の民間気象会社ウェザーニューズが高い的中率を誇る理由

2020年9月25日

天気予報の専門会社「ウェザーニューズ」についてのレビュー記事です。

天気予報と言えば「台風」の進路や、雷や竜巻の発生についてなど、防災にも大きく関わって来る情報メディア。

今回は人気番組「カンブリア宮殿」で取り上げられた「世界最大級の気象会社」についての内容と感想をまとめてみようと思います。

ウェザーニューズとは

日本列島を襲う気象災害の数々。

ここ数年は数十年に一度の記録的豪雨が毎年のように各地を襲っています。

「平成30年7月豪雨」「令和元年・東日本台風」などなど、大きな被害をもたらしています。

その原因となっているのが「線状降水帯」

積乱雲が線上に並んで、同じ地域に激しい雨を長時間降らせる現象です。

台風が続いた九州で甚大な被害をもたらしたのが「線状降水帯」になります。

その中の一つの地域で「八女市」があり、その自治体が地域を守るために「天気予報の会社」と連絡を取り合って、台風被害のリスクを抑えようとしています。

その会社は「ウェザーニューズ」。

民間の気象予報会社で、他者の追随を許さない正確な予報性で大きな注目を浴びている、天気のスペシャリスト集団なのです。

ウェザーニューズ社が注目される理由

もともと天気予報は、国の機関である気象庁が一日3回発表しているのを基礎に置いています。

それを補う形で民間の天気予報会社(ウェザーニューズ、ウェザーマップ、日本気象協会など)が社会や個人のニーズに合わせて、よりきめ細やかな「天気情報」サービスを提供しています。

最初に出てきた八女市の自治体では、このウェザーニュースの提供する「精度の良い情報」に信頼を置いて、現地の防災に役立てています。

中でも活用されているのが「自治体向けの防災気象サービス」。

気象庁が発表する情報だと、市内を4つの地域に分けて出す予報しかなく、八女市はその一部になるので詳細な天気データを得ることができません。

しかしウェザーニューズ社の天気予報データは八女市だけでも6つの地域に分けて提供されるため、より現地に即した天気予測を立てやすくなる、という利点があるのです。

つまり「細かい天気予報データを提供する」ということです。

このデータのおかげで、八女市は台風襲来時に適切な場所に適切な人員や物資を送ることができたといいます。

こうしたウェザーニューズ社の「ピンポイントの天気予報」を採用する自治体は全国でも250に上っています。

「あなたの気象台」がウェザーニューズの強み

千葉に本社を置く1986年に創業の会社で、従業員数は約1,000人、170人が気象予報士となる天気予報のエキスパート集団です。

社内に専門の天気予報チャンネルを持ち、24時間ライブ放送を行っています。

キャスターは10人いて、一人3時間ほどを担当して交代制で番組を運用しているほどです。

同社の強みを一言でいうと「あなたの気象台」ということ。

気象庁が発表する予報が「全国の気象台」向けだとすれば、ウェザーニューズ社のそれは「あなたの頭の上の天気予報」という、個々人のニーズに合わせたサービスになっています。

それをよく表しているのが、同社が提供している天気予報アプリの内容です。

・熱中症情報

・ほたる情報

・ゴルフ場の天気

・マリンCh

・旬食予報

・あじさい情報

・釣りch

・星空ch

・天気痛予報

この中でも注目なのが天気痛予報

天気痛とは「天気や気圧の変化で頭痛や関節痛が起きる症状」のことです。

この症状に悩む人は全国に1000万人以上ともいるといわれます。

愛知県の長久手市にある愛知医科大学病院は、日本で初めて「天気痛専門の外来」を設置している病院で、ここに通う高校生の少年が気圧がこの外来を訪ねていました。

症状は「天候が急激に変わると、寝込むほどの頭痛に襲われるので、学校も休みがちだった」ということ。

ただこのときの診察では、医師から「梅雨はどう?」と聞かれて「それほど動けなくなることはなかった」と答え、症状の改善を明らかにしていました。

その理由が、毎晩寝る前にウェザーニューズの「天気痛予報」をチェックすることで、事前に処置できたことにあるといいます。

天気痛予報アプリは「安心・やや注意・注意・警戒」の4段階があって、赤い「警戒」が出た時には、処方された薬を飲んで寝ることで症状が楽になったというのです。

このように「一人一人のニーズ」に応えることが、ウェザーニューズ社の最大の強みになっています。

その結果、ネットの天気アプリのダウンロード数が2000万以上と、ヤフー天気やtenki.jpを抜いて堂々の一位となったわけです。

「予報の正確さ」が業界で断トツの理由

さらに凄いのが「予報の正確さ」です。

たとえば幼稚園の先生が「5分天気予報」と呼ばれる細かい予報をチェックすることで、園児を外で遊ばせるかどうかを決めていたりもしています。

この5分予報もウェザーニューズだけが持つオリジナルのサービスということです。

その正確さもすごく、気象庁の予報の精度が80%以上なのに対し、ウェザーニューズは90%以上という凄さを誇っています。

気象庁が出す予報の基になる「アメダス」は全国に1300地点

ウェザーニューズは本社の屋上に自社製の観測機を持ち、全国に1万3000地点に設置しているということ!(気象庁の10倍)

さらに気象観測用の超小型衛星を民間で初めて打ち上げており、その観測レベルは地上から宇宙空間まで広がっています。

さらにさらに!

全国47都道府県に「ウェザーリポーター」と呼ばれる有志の天気予報のサポーターを持ち、それぞれの協力者が各地の天気の写真と一言コメントをウェザーニューズ社の本社に送信することで(一日2万件!)、より細やかなリアルタイムの天気予報が可能になっているのです。

その情報を利用している部署が「ゲリラ雷雨防衛隊本部」

ゲリラ雷雨の予報を立てる専門の部署で、レーダーでは難しい短時間で局地的に降る雷雨の予報を「ウェザーリポーター」のデータを活用することで的中率が90%台という高確率を可能にしているのです。

こうした天気予報の細やかさと精度が支持を受け、ウェザーニューズは世界大級の天気予報民間会社になっています。

ドローンにも活用されるウェザーニューズの技術

長野県伊那市でウェザーニューズの技術を使った新しい試みが試されています。

山間部の過疎地に住む人々のための「ドローン」を使った宅配サービスのサポートです。

遠く離れた買い物場所から、ドローンで欲しいものを運んでくれるサービスで、遠距離まで買い物ができない高齢者に向けた新たな試みです。

しかしドローンは風に弱く、途中で墜落してしまう危険性があります。

そこで使われるのが、ウェザーニューズが開発した気象観測機。

「ソラテナ」(空とアンテナを合わせた呼称)と呼ばれる機械で、ドローンが飛ぶ150メートル上空までの風向きと風速を解析するシステムになります。

このソラテナは墜落事故を防ぐことが可能。

ドローンのオペレーターはドローンのカメラとソラテナのデータを活用して、遠隔地からの宅配の運搬を安全に行うことが可能になるのです。

ドローンと天気予報がもたらす、生活の利便性向上ですね。

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ウェザーニューズ社の歴史

ウェザーニューズはある海難事故がきっかけで創業したといいます。

1970年に福島県小名浜港で爆弾低気圧に遭遇した船が沈没し、船員15名が亡くなった事故です。

この船の担当だったのが、当時、商社で船の手配をしていた石橋博良氏。

自らの判断が招いた悲劇を見て「正確な気象情報で船乗りの命を守りたい」と誓ったといいます。

その後、商社を辞めて1986年にウェザーニューズを創業。

最初に手掛けた仕事が、世界中の海の外航船に安全で最適なルートを提案する「航海気象サービス」でした。

その事業を継続し続け、現在では世界で2万隻ある外航船舶のおよそ1万隻をサポートしているといいます(世界中の外航船の半分!)

さらに空の安全情報もサポートしています。

世界20か国と地域の民間航空会社に「航空気象サービス」を提供。

その数「一日1万3000便」に上るということです。

さらに安全をサポートする天気情報だけでなく、天気予報を通じて飛行機に対して航空業務に関するアドバイスも行っているのです(飛行ルートに応じた航空燃料の量や、ルート選択、欠航のアドバイスなど)

さらにスポーツ部門でも、試合中の天気を予測し、戦術などのアドバイスも行う「スポーツ気象」も行っているということで、そのフィールドの幅広さに驚いてしまいます(2015年の南アフリカW杯でラグビー日本代表のサポートをしたことでも有名)

つまり単なる天気予報屋さんではなく、各部門の専門知識をもったプロが、それぞれのフィールドでプロも納得できる付加価値サービスを提供しているということですね。

それがウェザーニューズを「世界最大級の気象会社」に成らしめている理由の一つに挙げられるのです。

最後に

細やかで精度の高い天気予報から、世界中の海や空の安全を守るワールドワイドなサポートサービスまで幅広く手掛けるウェザーニューズ。

創業時代から変わらぬモットーは「安全」であり、それを何よりも優先すべきだと、創業者から叩きこまれたと現社長の草開さんは言います。

その思いは現在でも脈々と受け継がれ、ドクターヘリ運航時の安全確保サポートにも生かされています。

その基になるのは全国に500台あるライブカメラであり、そこから山の稜線や鉄塔の見え加減など(ヘリを飛ばすときの視認状況の支点になる)を提供しているということ。

まさに圧倒的な「物や人の配置サポート」のたまものですよね。

ほかにもスーパーなどの商品の仕入れの加減を天気予報を使って決めることや、現場作業を行う人の熱中症対策に「天気予報アプリ」が使われています。

人々の安全のために、あらゆる方面から天気やそれにかかわる情報・サポートを提供するウェザーニューズ。

最後に創業者と現社長(草開千仁氏)のやり取りが面白かったので、その部分を抜粋して載せておきましょう。

草開さんが就職活動で会社訪問をしたときのこと(おそらく1987年)

当時の社長(創業者)に面接で「仕事は充実してないけど、代わりに定時で帰れてプライベートが充実する仕事が好きなのか、それとも忙しくて夜遅くまで仕事をしているが、充実している仕事と、君はどちらがいいんだ?」と突然、聞かれて「なんと答えようか」と迷ったといいます。

しかしすぐに「君は後者だと思う」と言われたそう。

「なぜだと思う?」と訊ねられ、どう答えて良いか分からずに迷っていると「ウェザー・ネバー・スリープス(天気は眠らない)」という一言が返ってきました。

「君は天気が好きなんだろう?だから後者だろう」と言われ、草開さんはそのとき「心をグッと掴まれた」といいます。

さらに「俺も君が我が社とマッチするかどうか、こんな短い時間では分からない」と言われて「これはダメかな」と思っていたら、「明日からアルバイトにこい」と伝えられたそうです。

このドン、ドン、ドーン!と人の心を掴む流れが素晴らしいです。

たぶん創業者は草開さんの資質を直感で見抜いていたんだろうと思います。

この人材はきっと仕事にやりがいを求めるタイプに違いないと。

だからこその「ウェザーネバースリープス(天気は眠らない)」の言葉と、それに続く「我が社に向くか分からない、それを見極めるために明日からバイトで来なさい」の流れで試したのでしょう。

そして草開氏もそんな創業者の想いに見事に応えたということ。(社長にまでなった!)

まさに天気のために生きる仕事人の熱いやり取りですね!

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