防災と災害について考えるブログ

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「探検バクモン」巨大地震予測の最先端に迫る!視聴レビュー!


災害に見舞われる日本。

政府は南海トラフの襲来予想は30年以内に70~80%と発表しており、時が経つにつれてその可能性が高まっていきます。

今回はそんな迫りくる地震への予測研究の最前線を、先週のNHKの「探検バクモン」が特集していました。

 

探検バクモン - NHK

 

出演者は、レギュラー司会の爆笑問題とサヘル・ローズさん、ゲスト出演の菊川怜さん。

知的レベルの高い4人が、東大の研究所に突入!です。

その名も、

 

東京大学地震研究所で防災研究の最先端を垣間見る!

 

です。

ではそのレビューをご覧ください!

 

地震予測のシュミレーター

 

訪れたのは、先ほどの紹介した「東京大学地震研究所」。

日本を代表する地震研究の最先端機関です。

 

東京大学地震研究所

 

一同を迎えたのは、所長の小原さん。

政府の地震研究に関するメンバーとして参加されておられます。

まずは地震を体験してもらおうということで、ある一室に一同を招き入れていました。

そこには、カーペットの上に大きな椅子があり、その前の壁にはこれまた大きなスクリーンがかけられていました。

これは地震の揺れを体験できるシュミレーターで、椅子の揺れと共に、前のスクリーンに実際の揺れを想定した建物の映像を映し出します。

 

イメージ画像です

from: マンション・ラボ

 

これに太田さんが挑戦していました。

初めに体験するのは、阪神淡路大震災のような直下型地震。

直下型地震(内陸型地震)とは、地下の断層がずれることによって起きる地震で、短い時間に激しく揺れるのが特徴です。

www.bousai1000.com

機器を起動させると、すぐにカーペットの上で椅子が激しく縦横無尽に動いていました。

右に左に大きく動き、さすがの太田さんも「これは怖い」と一言。

これが直下型地震の特徴をとらえた揺れというわけです。

研究所の所長さん曰く「直下型の地震というのは、地震が起きる深さが非常に浅いので、衝撃が非常に強い」とのことで、これは2016年4月の熊本地震や、今年6月の大阪北部地震も同様だといいます。

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次は長周期地震動の揺れを体験することになりました。(このときサヘル・ローズさんが「長州力」と間違えて言って一同ずっこけた^^)

長周期地震動とは、長い間ずっとゆっくり揺れるタイプの地震で、別名「海溝型地震」といわれ、2011年3月に起きた東日本大震災での地震がそれにあたります。

以前にもNHKスペシャルで特集されていたタイプの地震ですね。

www.bousai1000.com海の中のプレートの境目がずれることで起きることで発生する地震で、大きく、長く揺れることが特徴だといいます。

また津波が起きることもあり、東日本大震災ではまさにその状況が発生しました。

そんな地震の揺れを再び太田さんが体験です。

シュミレーターの椅子は、最初は小さく動き始め、徐々に長くゆっくり大きく動き出す感じになりました。

直下型地震ほどには小刻みな激しい揺れではありませんが、高層ビルなどでは、この「ゆっくり大きく揺れる」地震でかなり被害がでるのではないかと考えられます。

それが長く続くため、建物だけでなく、中にいる人間にも相当な被害が出そうです。

こうした過去の地震を再現するシュミレーターを使うことで、起震車と同様に、より体感型の防災意識を高めることが可能になると考えられています。

 

街全体の地震予測をシュミレートする!

 

先ほどの地震シュミレーターが、個々人の防災意識を高めるタイプだとすれば、次に紹介するのは「街全体の地震の被害を減らすためのシュミレーター」になります。

番組出演者一同は同研究所の中にある「巨大地震津波災害予測センター」を訪れていました。

東京大学地震研究所 巨大地震津波災害予測研究センター

そこで東日本大震災の際に、地震直後の人の動きや車の動きをコンピューター上で再現したものを映していました。

液晶画面のデータマップ上に人や車の動きを点で表していて、人や車が避難する際に動けなくなった箇所を見ることができるというものです。

過去の地震データを再現することで、何が問題になったのかというデータ分析が可能になるという目的があるそうです。

今回紹介されたのは、東京に首都直下型地震が起きた想定で、都内10キロ四方の被害シュミレーションでした。

コンピュータ上に33万の建物を用意し、一棟一棟にモデルを作って、その場所で起こった地震の動きをシュミレート。

コンピューター画面上で地震を発生させ、建物が揺れるレベルを色で判別できるようにし、さらに避難する200万人の動きも再現し、その動きを計測します。

様々な人間のデータをプログラムして自律的に動くようにしているため、現実に近い行動シュミレーションを分析することができます。

これにより、地震の際に起こり得る問題(避難の際に詰まる箇所など)が分かり、それを基に避難場所の配置などを考えることができるというのです。

加えて南海トラフ地震の津波シュミレーションも行われていました。 

ここでシュミレートされていたのは神戸市です。

地震直後に防潮堤がある場合と、ない場合に分けてシュミレーションし、その状況を分析することで、問題点を防災につなげていくという試みでした。

建物やインフラの被害のシュミレーションは実際にはなかなか難しいため、こうしたコンピューター上のシュミレートによる問題点のあぶり出しは有効で、自治体と協力して行っていくことで、今度の防災対策に役立てる意味があるといいます。

 

巨大地震の予測研究の最先端に迫る!

 

次は、巨大地震そのものの予測研究についてです。

ここで取り上げられていたのは、東海から九州沖に広がる南海トラフ沖地震の可能性。

30年以内に70~80%とされ、震度7、大きさはマグニチュード9で、各地を10メートルを超える津波が襲うと想定されているといいます。

 

 

こうした予測は、南海トラフの領域で過去数百年以内に起きた大きな地震の回数を見ることで、平均間隔が分かるということ。

南海トラフは、約100年間隔で地震が発生し、最も新しい地震が1946年(約70年前)となつています。

100年間隔の中でも70年経っているので、次に起こる発生率としては、かなり高い確率になってきています。

ただどうしてもそうした経験的な地震予測になるため、現在の研究レベルでは、何月何日の何時という正確な予測は不可能だとか。

しかし同研究所の小原所長は、その精度を上げる可能性のある「地震」を発見したといいます。

それは「スロー地震」。

www.bousai1000.com

海溝型地震はプレートが沈み込む時に、上のプレートが引きずり込まれ、跳ね上がることによって起きる地震です。

スロー地震とは、この「跳ね上がり」の速度が極端にゆっくりなものを指します

体に感じる海溝型地震が、時速4キロほどだとすると、スロー地震は0.2ミリだといいます。

体では感じることのできないノイズのような地震。

小原所長は、こうしたノイズのような微妙な動きに着目しました。

 

イメージ画像です

 

そうして小原所長とその研究チームは、過去の巨大地震とスロー地震の関係を調べ、2011年の東日本大震災の際、震源のすぐ北のところでスロー地震が2回、震源に近づくようにして起きていたということを発見しました。

これはスロー地震が震源地に近づくように起きたことで「ひずみ」を少し貯め、それによって東北地震が発生したのではないか?ということ。

スロー地震の規則性を解析することで、巨大地震予測の精度を上げる可能性を探ります。

これは現在、世界の地震学者の注目を浴びている解析法で、今後もその精度向上が期待されているとか。

そして!

南海トラフ沖でも同様のスロー地震を確認したということです。

これはつまり・・・

ここまでいえばわかりますね。(東海地方や西日本に住む方々は要注意です)

さらに研究所では、陸上だけではなく、海底地震計を設置することで、スロー地震のような小さな揺れのデータを取ることに力を入れているといいます。

すでに南海トラフには42個を設置し、今後の揺れをチェックしていくことことでした。

 

宇宙からの粒子で地震が起こる断層を研究!

 

次に出演者一同が案内されたのは「高エネルギー素粒子地球物理学研究センター」。

www.eri.u-tokyo.ac.jp

一室では、宇宙線の中に含まれるミューオンという素粒子を使って研究を進めていました。

宇宙線とは、宇宙から地球に降る粒子のことをさします(電子、ニュートリノ、ミューオン、ガンマ線)

 

 

超新星爆発の残骸と考えられる宇宙線は普段、人間は見ることも感じることもできず、一秒間に体全体に一秒に100個ほどが通り抜けているようです。

ただ貫通力が非常に高いため、人間は感じることができないのでご安心を。

研究所では宇宙線をみることができる「霧箱」と呼ばれる装置を使って、宇宙線の研究を行っており、今回はそれを使って出演者が部屋の中にある宇宙線を見て驚いていました。

これまでこの研究室を主宰する教授と大学院生は、ミューオンという素粒子を使って、火山の透視などを行ってきた経緯があります。

ミューオンの貫通力の原理を利用し、断層の透視を行おうという試みを計画中だといいます。

 

 

それは地中に測定器を入れて、通過するミューオンの数を測ることで、地面の中の断層の方向、傾きなどを正確に調べるということ。

地震が起きた時にどれだけ揺れるかを測定する目的があり、現在は実験中ということですが、これが分かるようになれば、より多くの場所での断層を調べて地震予測が立てることができることになりそうです。

目に見えないものを使って目に見えないものを測定していく。

研究を行う教授も「不思議な気持ちになりますね」と仰っていました。

それに付け加えて一言。

 

「目に見えないものほど大切だといいますからね」

 

出演者の一人、菊川玲さんのコメントです。

みなさん、「うまい!」と褒めたたえていました^^

確かに!

 

まとめ

 

今回のバクモンはいつもとは違ってアカデミックな雰囲気でロケを行っていました。

普段の文化的な内容も面白いのですが、こうした科学的なロケハンも上手にまとめていくことができて、さすがはクレバーな爆笑問題とサヘル・ローズさんのお三人だと思いました。

加えて東大出身の菊川怜さんがゲストということで、出演者の知的レベルが一気に上がっていましたね。

今回のロケの現場が東大ということで、菊川さんが選ばれたと思いますが、最後の一言も気が利いていて「うまい!」と私も唸ってしまいました^^

番組内容自体は、地震予測について研究者目線での最前線情報でしたが、あらゆる角度で地震の予知を測定しているのだと知り、今後の予測精度について信頼性が増したような気がします。

特にコンピューター上でのシュミレートは、避難時の動線を知ることができるため、できれば我が家にも一台欲しいくらいだという^^;

西日本の住人なので、確実に南海トラフ沖地震は直撃しますからね。

もし今後、私や家族が変わらずこの関西地域に住み続けるならば、阪神淡路大震災、大阪北部地震に引き続いての大型地震に遭うことが想定できます。

今回のこういった地震予測や防災についての番組は、地震予測地域の住民への啓蒙にもなりますので、ぜひとも定期的に放送してほしいと思います。

また被害の予想される該当地域だけでなく、日本列島そのものが大きな災害に見舞われる可能性が今後増えていくと思いますので、メディアだけでなく国や自治体、学校、職場でも防災に関する情報を頻繁に提供してほしいと願っています。