防災と災害について考えるブログ

防災情報や防災用品のレビュー、災害の実体験を綴っていきます

スポンサーリンク

【防災番組】「NHKスペシャル 北海道 激震」緊急レビュー!土砂災害と停電(ブラックアウト)がもたらしたものは?

スポンサーリンク

今回のNHKスペシャルは「北海道地震」特集です。

www6.nhk.or.jp

予定されていた番組内容を変更しての特別番組となっていました。

今月6日に起こった北海道肝震東部地震では、大規模の土砂崩れ、家屋の倒壊、地盤の液状化現象が発生。

発電所の停止により、電力の供給が一時期ストップし、市民生活や産業基盤に大きな打撃を与えました。(阪神淡路大震災を上回る”295万戸”)

www.bousai1000.com

今回の放送では、未曽有の被害を北海道にもたらした地震の実態を様々な角度から検証する内容となっています。

ではそのレビューを番組の流れに沿って行っていきましょう。

 

想像を超えた地震の被害と被災者の方々の悲痛

 

冒頭では、地震で被害に遭った地元民の方々を中心に、その被害の大きさを伝えていました。

自宅で被害にあった高齢女性は、就寝時に地震が起き、ベッドのそばにあったタンスがかぶさってきて頭部をかばうために腕を出し、怪我を受けてしまいました。

ちょうどタンスの角の部分が当たったのか、腕部分は赤黒く腫れて折り、見ているだけで痛々しいほどでした。

「今まで地震なんか経験しなかったからね・・」

突然起きた想像を超えた事態に、ただ立ち尽くす女性。

その姿を見ていると、かつて阪神淡路大震災のとき、突然起こった激しい揺れが治まった後で建物の外で立ち尽くす当時の自分を思い出すようでした。

 

 

今回の地震の特徴は夜中に発生したこと、予兆のない直下型地震だったことが重なり、警報の知らせが追い付かずに、被害が拡大した面もあるといいます。

阪神淡路でも明け方に起きた直下型地震のため、逃げ出せなかった方も多くいたと聞きました。

この女性の呆然とした姿と、散乱した屋内を映し出す映像は、かつての自分や帰宅後の自宅、家族の姿を思い起こさせ、見ていて胸が締め付けられるような気持ちになってしまいました。

次に映し出されたのは、避難所の様子です。

その中でいまだ安否の確認ができないでいる、ご家族がおられました。

お二人は兄妹で、震災当時、崩れた山肌から土砂が一気に流れ込んできて、自宅が飲み込まれる事態になってしまいました。

一階部分は完全に土砂に埋まってしまい、ちょうど2階で寝ていたお二人は、なんとか窓から脱出できたのですが、一階にいたご両親の生死は分からないままだったそうです。

そしてもう一人の40代の男性は、土砂崩れでご両親を亡くされてしまい、言葉を絞り出すようにして取材記者に心情を吐露されていました。

「夢が覚めてと言いたい。こんな状況はやっぱり・・覚めてもらいたい」

その様子は本当に悲しみが溢れてくるようで、私は言葉もなく、ただ見ていて涙があふれ出てしまいました。

地震による被害は土砂崩れだけではありません。

都市部では、液状化によって道路が陥没し、地盤が沈下して家が傾く被害が映し出されていました。

自宅が使えない状況に陥った男性も「もうここには住めない。これからどうしていいのか分からない」と諦めた表情で語られており、道路の壊滅的な状況と併せて考えると、町の復興にはかなりの時間がかかると感じさせられました。

懸命に進められる救助活動の結果、前述の兄妹さんと40代男性のご家族が犠牲になられたと知らされ、こちらも本当に言葉がありませんでした。

 

土砂崩れの要因は「火山灰」だったのか?

 

多くの悲劇を招いた土砂災害。

その原因を招いたものは何なのか?

番組では今回の地震で発生した土砂崩れを検証することで、ある事実を特定していました。

それは「地震の揺れ」に特徴があること。

 

 

東京大学地震研究所の方によると、地震現場で観測された波形には、激しい振動が一分間に2回以上も繰り返し襲ってくる「極短周期」と呼ばれる特徴的な揺れが確認されたということなのです。

その揺れの連鎖は20秒近く続いていたといいます。

極短周期というのは、ガタガタという小刻みな揺れが10秒や20秒長く続き、例えるならば、削岩機でガガがッとゆするような強い揺れで、人は立っていられないものなのだそうです。

その状態が大きく長く続くことで「地盤災害」が起きるというのです。

振動の波が引き起こす地震災害については、以前にも同じNHKスペシャルで取り上げられており、都市部で発生することで甚大な被害をもたらすという、恐ろしい可能性を提示していました。

www.bousai1000.com

www.bousai1000.com

今回の場合は、特に山間部の「崖崩れ」という形でそれが現われたのです。

山の斜面を突き動かすような、強く激しい揺れ。

それが土砂崩れの直接の原因ではないかと。

そこからさらに被害を拡大させたもう一つの原因が「地層に含まれる火山灰」によるものだといいます。

土砂崩れが起きた周辺には、樽前山などの複数の火山が存在します。

はるか昔から噴火を繰り返し、火山灰を付近一帯に降り積もらせてきたといいます。

今回の土砂崩れが起きた山肌を覆っていたのは、こうした「火山灰」の層。

さらにその中にある「ハロイサイト」という物質が土砂崩れの大きな要因ではないか、という説を別の地質の研究者の方が述べられていました。

 

写真はイメージです

 

ハロイサイトというのは、山肌の表面を覆う火山灰が風化した粘土状の物質で、水を含むと「ぬめり」を帯びた状態になります。

調査の結果、土砂災害が起きた山肌では、ハロイサイトの上に火山灰が乗っており、雨が降ることで表面が滑りやすくなり、そこに激しい揺れが加わって一気に山肌が滑り落ちた可能性が高いということでした。

実際に北海道では例年より多い降雨量があり、災害地域では降雨量そのものはそれほど多くなかったようですが、それまでの雨で水分が土の中で保たれてしまい、その上に乗る火山灰は激しい揺れによって崖崩れが起きたのではないか、という説を摂られていました。

同時に日本列島には、火山灰が厚く堆積している地域が北海道以外にも多くあり、その地域のどれもが、今回と同じような被害をもたらす可能性があるというのです。(北海道、東北、関東甲信越、中部、関西、四国の一部、中国山陰地方、九州ほぼ全域など)

雨と地震の複合災害リスク

それが土砂災害の危険を高める大きな要因となる。

そしてそれは地球温暖化と密接な関係にあるということでした。

 

地震が引き起こしたブラックアウト

 

電力の供給が停止する、それも大規模なレベルで発生することを「ブラックアウト」といいます。

北海道では「苫東厚真火力発電所」が道内全域に電気を供給する拠点となっていました。

しかし地震によって同発電所が自動停止し、それに引きずられる形で他の3か所の火力発電所も次々の停止していきまいた。

その結果起きたのが、ブラックアウト(大規模停電)。

 

 

ネオンで輝いていた夜の街が一斉に光を失い、震源地から140キロ離れていた函館市もその余波を受けたのです。

市内の拠点病院もブラックアウトの影響を受け、周辺の病院から患者の引き受けが続いたといいます。

自家発電によって最低限の医療は継続できたようですが、他病院からの患者さんの対応や、人工透析を要する腎臓疾患の方のために、ベッドや電力を用意する必要があり、事態は緊急を要する構えになっていました。

また在宅医療でお子さんの医療機器へ電力を必要とするケースもあり、その場合は自動発電機で各家を周るサービスが行われていたために、なんとか難を逃れるシーンが映し出されていました。

他にも、電力不足による道路事情の悪化(信号機の停止など)、ポンプが動かせないための製油所の給油作業停止などで、運送会社が農家からの出荷引き受けを取りやめる動きもあり、地場産業に大きな影響をもたらしています。

加えて電力所の停止により、官公庁のデータを取り扱うサーバ会社が影響を受け、一時期は全国レベルでその余波が行き渡るところでした。

番組外のニュースによれば、8日現在では停電はほぼ解消されているようですが、週明けの電力需要増を見越して平常時の2割の節電を呼び掛けているようです。

www.nikkei.com

加えて未だ水道インフラも復旧できていない地域もあり、電力以外の復興も焦眉の急となっているといえるでしょう。

 

まとめ

 

番組では最後に避難所からの中継を行っていました。

その避難所では600人ほどの方が過ごしており、お年寄りが「生きている間にこんな地震に遭うとは思わなかった」と記者を通じて言葉を寄せられていました。

私自身も阪神淡路大震災当時は、まさか関西で大規模な地震がくるとは想像もできず、「生きている間にこんな地震に遭うとは思わなかった」という同じ言葉を、周りの友人に語っていたことを思い出します。

www.bousai1000.com

それから数十年経って、いくつもの大規模災害や地震を見聞きしたり、体験したりしてきました。

そして今回の北海道地震。

数か月前から続く西日本を中心とした災害に引き続いた災害を見て、日本列島はどこでも同じ災害が発生する可能性がある、ということを改めて認識させられました。

これからも秋にかけて台風が多く訪れる季節になります。

古来から台風は雨による水の多くの恵みを日本列島に与えてきました。

しかし近年ではその規模や強度を急速に上げて、恵みと同時に被害をもたらすようになってきています。

雨風による被害で地盤が緩んだ後にくる、小刻みで強い揺れ、そして土砂崩れを始めとする地盤沈下やブラックアウト・・・

番組の終盤では、専門家の方が「日本全国どこにでも起こり得ること。起こるという想定で普段から意識して暮らすしかない。たとえば、今回のような山の崖の近くに住まない、住んでしまっているなら、就寝時は2階で寝る、もしくは崖とは反対側の部屋で過ごすようにすることなどが必要です」という趣旨のことを、簡潔にまとめられていました。

まさに以前取り上げたサバイバル読本に書かれていたことですが、それを自分に起こり得る現実のものとして、日々の生活の中に取り入れることは意外に難しいことなのかもしれません。

防災は自分の意識からまず変えること。

引き続く大規模災害と今回の放送内容を己への教訓として、今後起こり得る災害に向けて意識を新たにし、改めて日々の備えを行っていこうと思います。

www.bousai1000.com

www.bousai1000.com

www.bousai1000.com